腎機能疾患患者のインプラント治療

監修医より

腎機能疾患も受けられる可能性がある

腎機能疾患の中でも腎疾患患者の場合、傷の治りが遅くなったり、骨の強度が下がっていることが多いため、リスクが高くなってしまいます。一方、病気が改善傾向にある患者であれば、予後の心配が少なくなるため、手術ができる可能性がグンとアップします。歯茎を切開しないフラップレス手術なら、傷の治りも早いため、さらに治療を受けられる可能性が上がります。

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滝澤聡明理事長 滝澤聡明理事長
医療法人社団明敬会 滝澤理事長

【滝澤先生に聞く】腎機能疾患のインプラントQ&A

腎機能疾患とは

腎臓の糸球体や尿細管が冒される病気です。腎障害、腎不全、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群などさまざまな種類があります。

腎機能疾患が禁忌症の理由

腎臓は身体の状態をを保つために重要な役割を果たしています。その機能が低下してしまうと、感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくかったりするため、骨とインプラントの結合がうまくいかないことがあります。

透析中にインプラントが受けられない理由は

人工透析を受けている場合には、唾液腺の萎縮や薬の副作用によって口腔内が乾燥することがあります。そうなると、歯周病菌などの細菌が増殖したり、炎症が発生しやすくなる傾向があるからです。

腎機能疾患患者がインプラントを受けるには

今後腎機能の回復が認められる状態であれば、インプラント治療を受けられるかもしれません。その場合は主治医との連携が必要です。しかし、回復が見込めない場合には、残念ながらインプラント治療は難しいでしょう。

腎機能疾患

腎機能疾患とは、腎臓の糸球体や尿細管が冒される病気のことです。腎機能疾患には、腎障害、腎不全、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群など様々な種類があり、それぞれの原因や症状も異なります。

腎臓の機能は一度、失われてしまうと、回復することがないケースが多く、慢性腎不全といわれる病態になります。しかし、近年では医療技術が進歩し、早期に治療を開始すれば、腎臓の機能の低下を防いだり、遅らせたりすることが可能です。

また、末期腎不全まで進行し、腎機能の回復が見込めない状態になってしまっても、透析療法や移植といった腎代替療法の中でもさらに治療法の選択肢が増えているため、患者自身の生活水準に合った治療を受けることができるようになっています。

腎機能疾患が禁忌症の理由

腎機能障害(腎障害)

腎機能障害では、高血圧や浮腫、うっ血性心不全を合併していることがあります。これらの症状はインプラント手術の際に大きなリスクとなって重大な結果をもたらすことも否定できません。また、手術が可能だったとしても、腎機能障害で見られる易感染性や口腔乾燥症は口腔内の細菌が増加して、インプラント周囲炎の大きなリスクとなります。腎機能が低下すれば、手術後の抗生物質なども腎臓で代謝されない種類を選択する必要が出てきます。

腎不全

腎機能障害が進行すれば、体内の老廃物の排出と体液量のコントロールができなくなって、腎不全という状態になります。急速に進行する急性腎不全と慢性腎不全とがあり、急性腎不全では数日の経過で発症して浮腫や高血圧、肺水腫、心内膜炎など重篤な症状に至ることもあります。慢性腎不全は、数年以上の経過で徐々に腎不全が進行しますが、どちらも上記のような腎機能障害を伴いますので、インプラント治療は難しいでしょう。

透析を受けている

透析を受けていると、体内の電解質バランスを維持するのが難しくなります。特にインプラント治療に関係するのは、低カルシウム血症により骨質の低下が起こることです。これによって、インプラント体を埋入しても、顎骨とインプラント体の強固な結合であるオッセオインテグレーションが阻害されてしまいます。つまり、インプラントが定着しない可能性が高くなりますので、治療を受けることが難しくなるわけです。また、口腔乾燥症のリスクは透析で高まります。

腎機能疾患患者がインプラントを受ける注意点

病状の回復が望めない人は基本的には受けられません。とりあえず主治医に相談するところから始めてみましょう。病状がしっかりとコントロールされて入れば手術自体は可能です。

参考文献

監修者紹介

滝澤聡明

滝澤 聡明医療法人社団明敬会 理事長

滝澤理事長の運営するクリニックでは、全国のクリニックでも数少ない「全症例の9割近くをフラップレス手術で行っている」クリニックです。

患者さんのためになる施術・カウンセリングを心がけており、フラップレス手術を推進するのもその思いがあってこそ。

「医療は絶えず変化するもの。だから自分の医院の診療もその変化に必ずついていく」という考えのもと、新しい技術を積極的に取り入れています。

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運営者情報

ヘルスケア編集部Zenken株式会社

歯を失った場合の治療として、主流になりつつあるインプラント治療。しかしフラップレス手術は、ネット上はおろか書籍でもまだまだ情報が少ない治療方法です。

「メスを使わないインプラント」は、我々患者にとってメリットが大きいはず。そこで当編集部は、フラップレス手術を前面に押し出している医療法人社団明敬会に取材を申し込みました。

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免責事項

切らないインプラント施術 フラップレス手術のすべて
監修:医療法人社団 明敬会

タキザワ歯科クリニック
03-3685-1444

湘南藤沢歯科
0466-37-3090

一般的な費用相場
190,000~400,000円程度(税抜)
※インプラント1本の埋入価格

【インプラント治療にかかる期間】
インプラント治療にかかる期間は、平均6ヶ月~12ヶ月。

主なデメリット
歯茎の骨の形状、神経の走り方によって受けられない人がいる。

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