歯肉移植・歯肉形成

監修医より

歯肉移植とは、歯垢や歯石といった細菌などによって、歯ブラシや口の中をきれいにするための器具の刺激に対して抵抗できるだけの丈夫な歯肉がない場合に、上あご部分にある抵抗力の高い歯肉を歯茎などの弱い歯肉のところへ移植する施術のことです。主な施術方法として、CTG(結合組織移植)とFGG(遊離歯肉移植)とがあります。歯肉が弱り、歯茎が下がってしまうと歯磨きがしづらくなって不衛生になり、知覚過敏になってしまうリスクが高くなりますが、歯肉移植をすることで防ぐことが可能。また、歯茎が下がり、歯根がむき出しになったままでは、見た目が悪いため、審美障害の回復という目的もあります。

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滝澤聡明理事長 滝澤聡明理事長
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【滝澤先生に聞く】歯肉移植のQ&A

歯肉移植・歯肉形成とは

歯肉移植とは、歯茎が減ったことにより前歯などの露出が増えている場合に、別の場所から歯肉を移植して歯茎を増やす治療法のこと。歯茎を増やすことで歯のラインをきれいに整えて、美しい笑顔を手に入れることができます。

CTGはどんな施術?

CTGは、歯肉が痩せて薄くなっている状態や、抜歯後の歯を抜いた後にできる土手の陥没した部分がある時に、上あごの口蓋から結合組織のみを採取し、歯肉が痩せている部分の上皮と骨膜との間に結合組織を移植し、歯肉を増やす方法です。

FGGはどんな施術?

歯根の周りにコラーゲン繊維に富んだ固く動かない歯肉「角化歯肉」がない場合、歯ブラシの圧力に弱く、歯磨きが困難になったり、歯肉が痩せて薄くなってしまったり、炎症などを引き起こしてしまいます。FGGは、上あごの口蓋から上皮の付いた歯肉を切り取って、歯根の周りに移植することにより、角化歯肉を補填する方法です。

歯肉移植とは

CTG

下がった歯茎を増やす治療法

麻酔をした後、露出が見られる周囲の歯茎を切ってめくり、必要な歯茎のサイズを測定します。次に上あごの口蓋を切ってめくり、上皮は残しながら必要な量の結合組織を切り取り。切り取った結合組織を最初に歯茎をめくった部分に移植し、歯茎で覆ったら糸で縫合します。最後に口蓋部分の上皮を元に戻したら終了。施術から1~2週間ほどしたら抜糸をします。

FGG

CTG同様、歯茎を増やすための施術

FGGの施術の流れは、上記で紹介したCTGとほとんど変わりはありません。大きく異なるのは、上皮も一緒に移植するかどうかです。歯茎の表層は、上皮で覆われ内側に結合組織があります。CTGは、上皮をめくって結合組織だけを取り出すのに対し、FGGでは、結合組織と同時に上皮も一緒に取り出して、そのまま移植してしまいます。

歯肉移植のメリット

CTG

CTGを行うメリットは、歯肉が下がって歯根が露出してしまった部分の治療に適していること。上皮はそのままなので、施術した箇所が分かりにくく、歯根が露出してしまっていることによる、知覚過敏などを防ぐことができます。

FGG

FGGのメリットは、歯肉をそのまま移植してしまうので施術が比較的、簡単なこと。インプラント治療を受けることによって歯肉が減ってしまった場合の処理として適しており、ブラッシングがしやすくなるため、インプラントが長持ちします。

歯肉移植のデメリット

CTG

FGGに比べると手術が困難なため、高度な技術が必要となり、そのため、施術を行うドクターには高いスキルが要求されます。また、切り取りを行った方の歯肉が痛んだり、腫れが生じてしまうことがあります。

FGG

異なる歯肉を上皮ごとそのまま移植してしまうので、移植先の歯茎と色味が異なり、目立ってしまう可能性があります。また、歯茎が痩せてしまって歯根が露出してしまっている人にはあまりおすすめできない方法となります。

歯肉移植が向いてる人

CTG

歯茎が下がってしまい見た目が気になる場合や、歯根が露出して知覚過敏になっている場合に効果的。内部の結合組織だけを移植するため、痩せた歯茎を自然にふくらませることができます。また、見た目の違和感が気になる人にもおすすめです。

FGG

インプラント治療を行ったことにより、歯肉の量が減ってしまった人にはFGGによる施術がおすすめ。上皮ごと結合組織を移植する方法なので、簡単な施術で行うことができます。

歯肉移植が向いてない人

CTG

FGGに比べると施術が難しいので、絶対に失敗したくないという人には向かない施術方法です。また術後に歯肉部分が痛んだり、術後に腫れてしまうことがあるのも注意しなければならないポイントです。

FGG

異なる部分の歯肉を移植するので、多少の色の違いがあり、目立つ部分にはあまり向いていません。他人からどのように見られているのかが気になる人にはあまりおすすめできない方法となります。

歯肉移植の症例

本症例は、「上顎前歯部インプラント埋入後に歯肉退縮を起こした1症例」を参考に紹介しています。

  • 年齢:31歳
  • 性別:女性
  • 症状:上あご右側の歯肉に軽度の赤みと腫れがある状態。中切歯の歯根も破折している。

破折してしまっている歯は、残すことが難しいため抜歯。抜歯した後の治療法としてインプラント治療を希望していました。ところがあごの骨と歯肉の量が十分ではなかったため、骨再生誘導法(GBR)と結合組織移植術(CTG)を併用しながら2回法によるインプラント治療をすることを決定。その結果、周囲組織への感染はなく、インプラントの動揺も見られませんでした。また歯頸部の状態も改善され、患者にとっても満足の行く結果となりました。

参照元:松本歯科大学「上顎前歯部インプラント埋入後に歯肉退縮を起こした1症例」

監修者紹介

滝澤聡明

滝澤 聡明医療法人社団明敬会 理事長

滝澤理事長の運営するクリニックでは、全国のクリニックでも数少ない「全症例の9割近くをフラップレス手術で行っている」クリニックです。

患者さんのためになる施術・カウンセリングを心がけており、フラップレス手術を推進するのもその思いがあってこそ。

「医療は絶えず変化するもの。だから自分の医院の診療もその変化に必ずついていく」という考えのもと、新しい技術を積極的に取り入れています。

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運営者情報

ヘルスケア編集部Zenken株式会社

歯を失った場合の治療として、主流になりつつあるインプラント治療。しかしフラップレス手術は、ネット上はおろか書籍でもまだまだ情報が少ない治療方法です。

「メスを使わないインプラント」は、我々患者にとってメリットが大きいはず。そこで当編集部は、フラップレス手術を前面に押し出している医療法人社団明敬会に取材を申し込みました。

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免責事項

切らないインプラント施術 フラップレス手術のすべて
監修:医療法人社団 明敬会

タキザワ歯科クリニック
03-3685-1444

湘南藤沢歯科
0466-37-3090

一般的な費用相場
190,000~400,000円程度(税抜)
※インプラント1本の埋入価格

【インプラント治療にかかる期間】
インプラント治療にかかる期間は、平均6ヶ月~12ヶ月。

主なデメリット
歯茎の骨の形状、神経の走り方によって受けられない人がいる。

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